5月8日(日)トークイベントレポート【ゲスト:篠原勝之さん】

5月8日(日) ポレポレ東中野 19:00の回終了後に
鉄のゲージツ家・クマさんこと篠原勝之さんをゲストにお迎えしてトークイベントを開催致しました。
その内容を対談形式でお届けします。


<登壇者:左:篠原勝之さん(鉄のゲージツ家)、右:坂本雅司さん(本作プロデューサー)>

 
坂本:篠原さんは赤塚さんと非常に親しかったと聞きましたが、どのような関係だったのでしょうか
 
篠原:あの頃、「笑っていいとも!」に出る前で、フジオ・プロに遊びに行って、お米盗んだりして 笑
赤塚さんは新潟の人で米送ってくるの知ってたから、赤塚さんがマンガ描いている隙に袂とか帯に入れてね
お互いそのことは知っていたけれど「米ちょうだい」っていうのも「米持っていけ」っていうのもおかしかったし、暗黙の了解だったんだよ。
貧乏と貧乏だったから。当時、あの人もお金なかったから。
 
坂本:ちょうど79年とか80年くらいに、マンガは描かれていましたけど全盛というほどではなかったですもんね。
 
篠原:だから”とうとうアンタも貧乏になったな”って言ったら、自分は違う!と。
“おれはね、頂点を見てから落ちてきたけど、おまえはずっと低迷した貧乏だから一緒じゃない”っていうから 笑
でも貧乏だったね
 
坂本:篠原さんが昨年出版されて第43回泉鏡花文学賞も受賞された「骨風」を読んだのが、お話を伺いたいなって思ったキッカケだったんですけれど、
若松孝二監督のエピソードがあったり、若松監督の「キャタピラー」にも出演されていたり、
あとは本作で取材したくてもできなかった唐十郎さんとも親交があるということで、
そのお二人の共通の知り合いということで篠原さんにお話を伺いたいのですが、まず若松監督と赤塚さんと篠原さんはどのような関係だったんでしょうか。
 
篠原:俺は唐さんのところでポスターとか舞台装置とか喧嘩とかそういう係をやっていたから 笑
 
坂本:喧嘩担当というね 笑
 
篠原:だから3人でっていうよりかは、それぞれとはお酒を飲んでいたって感じだったかな
で、唐さんと赤塚さんが飲んでいる席で”テント買ってくれ”とか”買ってやる”ってやり取りがあったら、翌日には請求にいったりね
 
坂本:今ではもう神話化された話で有名ですけれど、ゴールデン街で唐さんと赤塚さんが飲んで酔っていたときに、唐さんが
「テントが古くなっているから困っている」って言ったら赤塚さんが「じゃあ買ってやる」って最終的に600万近くのテントを買ったという。
お酒の席で勢いで言ったことにも関わらず、赤塚さんは一回約束したことは守るって真面目な人ですからね。
 
篠原:だからお酒の席の戯言じゃなかったんだよな。お互いに。一生懸命やっていたんだから。
 
坂本:赤塚さんと篠原さんがお二人でお酒を飲むことはあったんですか?
 
篠原:うん、彼の家でね。二人で飲みながらウダウダやっているときに、自分たちで梅酒漬けて樽に入れて、
ゴールデン街のタクシー乗り場で「移動BAR」をやろうかって話になって。
で、赤塚さんに「梅酒漬けたから味見しに来い」って言われてみんなで行ったら、味見しているうちになくなっちゃって 笑
未遂に終わっちゃったんだよね。そういう真剣ににバカなことやるんだよね、面白かったな。
 
坂本:その他にも凄まじいというか、ホントにバカな飲み方をされていたと聞きましたが、その話もお伺いしてもいいですか。
 
篠原:アイララってお店で飲んでいたら、赤塚さんに「クマ、おまえは今日便所にいくな」って言われて。
したくなったらコップに入れて、それを飲んでれば金かかんないだろうって 笑
 
会場:爆笑
 
篠原:おれも最初は抵抗あったんだけれど、そのうち段々自分の小便でハイになってね 笑
飲む時もちゃんとビールを飲んでいるような顔でこうクッと飲むんだよ。そうしているうちに暗示にかかってちゃんと酔うんだよ
で、新宿でストリーキングやったりバカをやったりしてね。その時から水でも自己暗示で酔えるようになったんだよ。
 
坂本:笑 喧嘩担当ということでしたけど、その時で何かエピソードとかありますか。
 
篠原:俺も喧嘩は嫌いだったんだけれどね。赤塚さんも争いごととか嫌いでね。
酒場で争いごとになったときとか、赤塚さんはスッと存在を消す達人でね。争いが収まってからまたスッて出てくるんだけれど、
自分のちんちんにバカボンの顔描いてそのまま出てきたりして、ささくれ立った空気を和ませたりしてね 笑
 
坂本:笑
 
篠原:だから小便飲んだりとかもそうなんだけれど、バカなことをやって楽しませるのが好きでね。
アイララでタモリが面白い芸をしたりすると赤塚さん泣きながら悔しがるんだよ。対抗して血が出るようなバカなことしたりね。
俺は赤塚さんのマンガで夢中になったことは無いんだけれど「ウナギイヌ」が大好きでね。ああいうハイブリッドなものを考えるのはすごいなって思ってね。
ウナギイヌをデザインして家紋にした着流しを作ってね。冠婚葬祭にはそれで参加しているんだよ
 
坂本:いまでもあるんですか?
 
篠原:あるよ。他にもコムデギャルソンとかとコラボした服が出ているから結構持っているんだよ。
まあ、ああいう自由人っていうのかな、あんな無茶苦茶な人は今はいないんだよな。
 
坂本:さすがに今だと捕まるかもしれないですからね 笑
 
篠原:若松さんとか唐さんとかもそうだけれど、ああいう伝説的な人がいないとね、この国はつまらなくなるねえ。
あと毛じらみ事件ってのもあってね。飲んでいた時に毛じらみの話になってね、毛じらみは左手で次の毛を探しているから
左利きだって赤塚さんに言ったら、悔しがってね。「おれ毛じらみになりたい!」って。で、翌日かな、バーに行って毛じらみがいそうな女をね…
 
会場:爆笑
 
篠原:で「クマ、毛じらみ移った!」って 笑
で、二人して病院に通ったりね。毛じらみが左利きだって知っていることが憎たらしかったみたいでね。
自分の体を使ってどこまで面白いことしようとしているのがすごいんだよ。
あとね、小ぶりながらいいちんちんしてるんだよ 
 
坂本:結構自慢だったみたいですね
 
篠原:あと若松さんのちんちんもまたね、大ぶりでいいちんちんしているんだよ。中国のお寺みたいに反ってるんだよ。
おれは何度も見たことあるんだよ。赤塚さんのも見たな。小ぶりだけど良い形してんだよ。
 
坂本:笑
もっとお話を聞きたいですけれど、そろそろお時間なので、今日はありがとうございました。
 
篠原:ホントはもっとこうマンガを分析したかったんだけどな 笑
ありがとうございました。
 
***
会場の雰囲気をお伝えできないのが悔しいほど、大爆笑の渦に包まれたトークとなりました。
篠原勝之さんありがとうございました!

 

16.07.08